←誓真さん自作の木魚
(歴史民俗資料館)
誓真さんは元来器用な人であったらしく、修行の合間に作った木魚はとても精巧にできていて、音の響きも良く、人々の知るところとなりました。そんな誓真さんは、常日頃から島内にこれといった産業がないのを気にかけていましたが、宮島の弁財天信仰と結びつけた縁起物として弁財天が持つ琵琶の形に似た飯杓子(杓文字)を思いつき、自ら御山の松でこれを作り、島民に教えました。この杓子は材料・材質の選択が非常に良かったため、ご飯に臭気を移さず、また飯粒が付着することもなく、さらにはその形状の優雅さや細工の巧妙さで来島者の好評を博するところとなり、宮島の土産物として定着していきました。
こうして育まれてきた杓子は、その名をとって「誓真杓子」とも呼ばれています。誓真さんの人柄や功績と共に200年以上の時を経て今日まで大切に語り継がれ、受け継がれてきたのが、宮島の杓子なのです。
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